マンションの大規模修繕に確認申請は必要?要否の条件や注意点を解説

建物を建築したり修繕したりする場合、建物が建築基準法に適合しているかを判断するため、建築確認申請(以後確認申請)を行なわなければなりません。

確認申請の対象となるかは、建物の種類や工事の内容によって変わります。建物の建築や修繕を予定している場合、まずは確認申請の対象となるかどうかを把握しておきましょう。

本記事では、確認申請の概要と申請の条件を解説し、マンションの大規模修繕で確認申請が必要かどうかを説明します。大規模修繕を予定しているマンションの管理者や区分所有者の方は、ぜひ参考にしてください。

■確認申請とは?

確認申請は、建物の新築や改築などにあたり、計画している建物が建築基準法に適合しているか、審査を受けるための申請です。審査では建ぺい率や容積率などが適正かを確認し、違法建築が建てられるのを防ぎます。

確認申請の申請先は、官公庁や指定確認検査機関です。申請後、建築主事や建築確認審査員による審査を受け、結果に問題がなければ確認済証が交付されます。

確認済証の交付がなければ原則として工事を開始できないため、建物の新築や改築などを検討している方は、申請に必要な書類をそろえて確実な審査通過を目指しましょう。

なお、確認申請には建物の床面積に応じた手数料がかかりますが、金額は自治体によって異なります。手数料は現金で納入しなければならないため、あらかじめ申請先に確認し、準備しておくとよいでしょう。

■確認申請の要否は、建物の種類と工事内容で決まる

確認申請はすべての建物を対象に行なわれるわけではなく、建物の種類と工事内容によって要否が決定されます。

申請の条件となる建物の種類と工事内容は、法律により明確に定義されており、一般的に使用している内容とは意味合いが異なる場合もあるため注意が必要です。

ここでは、確認申請における建物の種類と工事内容の定義を説明し、確認申請が必要なパターンと不要なパターンをそれぞれ解説します。

◇確認申請に係る建物の種類
確認申請における建物の種類は建築基準法第6条1項により、以下の4種類に分けられます。

1号:劇場、映画館、病院等に供する特殊建築物で、用途に供する床面積の合計が200平方メートルを超えるもの
2号:木造の建築物で、3以上の階数を有するもの、または延面積が500平方メートルを超えるもの、または高さが13mもしくは軒の高さが9mを超えるもの
3号:木造以外の建築物で、2以上の階数を有するもの、または延面積が200平方メートルを超えるもの
4号:一定の区域における1~3号以外の建築物

出典:建築基準法第6条1項

確認申請の要否を知るために、まずは確認申請しようとする建物が上記の1~4号のどれに当たるのかを確認しておきましょう。

◇確認申請に係る工事内容
続いて、確認申請における工事内容の定義を解説します。工事内容は建築、大規模の修繕、大規模の模様替えの3種類です。

  • 建築

建築とは、建物の新築・増築・改築・移転を指します。それぞれの定義は以下のとおりです。

  • 新築:更地に新規に建物を建てること
  • 増築:既存の建物の床面積を増加させること、または既存の建物がある敷地内に新たに建物を建てること(※後者の場合、建物単位では「新築」、敷地単位では「増築」)
  • 改築:建物の一部または全部を除却したあと、用途・規模・構造が従前と同じ建物を建てること
  • 移転:同一敷地内で、建物を解体せずに位置を変更すること
  • 大規模の修繕

修繕とは、建物の経年劣化した部分とほぼ同じ位置を、既存と同様の材料、形状、寸法のもので原状回復することです。壁・床・柱・はり・屋根・階段といった主要構造部のうち、1種類以上を半分以上の範囲にわたり修繕する場合は大規模の修繕とされます。

  • 大規模の模様替え

模様替えは、建物の規模・構造・機能の同一性を維持できる範囲内で改造することで、おもに原状回復ではなく、性能の向上を目的とします。なお、模様替えにおける「大規模」の定義は、修繕の場合と同様です。

◇確認申請が必要なケース
先述したように、確認申請の要否は建物の種類と工事内容によって決定されますが、具体的にはどのようなケースで必要になるのでしょうか。

確認申請が必要なケースは建築基準法第6条に規定があり、簡単にまとめると以下の3つのパターンがあります。

  1. 1~3号の建築(建築後に増築する場合は、増築後に1~3号に掲げる規模になるものを含む)
  2. 1~3号の大規模の修繕、大規模の模様替え
  3. 4号の建築

参照:建築基準法第6条

1号~3号に該当する建物の場合、建築と大規模の修繕・模様替え、すべてで確認申請が必要です。4号は建築のみが確認申請の対象となっており、大規模の修繕・模様替えでの確認申請は必要ありません。

◇確認申請が不要なケース
上記で示した確認申請が必要なケース以外の建築や修繕、模様替えであれば、確認申請は不要です。具体的には、以下のようなケースが挙げられます。

  1. 防火地域・準防火地域以外で、合計10平方メートルまでの増築や改築を行なう場合
  2. 建築基準法上の建築物に当たらない場合
  3. マンション・アパートなどの住戸内をリノベーションする場合

ただし、上記の例のように建築基準法上で建築申請が不要となるケースでも、建築や建物の除去などにあたり、自治体に別途申請が必要な場合があります。

確認申請の要否を判断できない場合や、確認申請以外の手続きが必要かどうか知りたい場合は、管轄の官公庁に確認しておくとよいでしょう。

■ マンションの大規模修繕の確認申請は、基本的に「不要」

結論からいうと、一般的なマンションの大規模修繕工事では、確認申請は必要ありません。

一般的なマンションの大規模修繕は、外装や共用部の修理、外壁塗装、防水工事が中心です。これらは、確認申請における大規模の修繕には当たりません。一般に使われる「大規模修繕」と、確認申請における「大規模の修繕」は意味合いが異なる点に注意しましょう。

ただし、マンションの大規模修繕でも、主要構造部の1種類以上を過半にわたり修繕する場合は確認申請が必要です。

■ 【大規模修繕】確認申請の注意点に「不要」

確認申請の手続きは、手数料や、大規模の修繕に該当するかどうかの基準となる、「過半」の扱い方など、自治体によって細部が異なっていることがあります。また、同じ自治体でも、年度によって申請書類の様式が変更になる場合があるため、申請前に最新の情報をチェックしておくことが大切です。

確認申請が必要かどうか判断に迷う場合は、自身で判断せず、行政や専門家に相談してみてください。

■ まとめ

確認申請は建物の安全性を確保するうえで欠かせないものです。建物を建築・修繕・模様替えする場合は、当該工事に確認申請が必要かどうか、必ず確認しましょう。

一般的なマンションの大規模修繕では、基本的に確認申請は必要ありません。ただし、確認申請が不要な場合でも別の申請が必要な場合があるため、行政や専門家などに相談しながら判断するとよいでしょう。

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