東京|豊島区のマンション外壁タイル工事②(エポキシ樹脂注入)

豊島区のマンションの現場、調査終わりまして大幅に当初お見積りをオーバーしたのですが「調査が終わった面のタイル補修工事はすべて行う」という方針で実際に工事が始まりました。

タイル面の補修工事の工法にはタイルの浮いている状況により工法の使い分けがあります。

タイルを躯体に張り付けるモルタルと躯体が剥離している浮きの事を「下地浮き」と呼びますが大きな面積でタイルが浮いている場合はたいていこの下地浮きになっている場合が多いです。目で見て分かる程度に浮いている場合を除いてはたいていの場合「エポキシ樹脂注入ピンニング」と呼ばれる工法で補修するのが一般的です。

この工法は浮いている面のタイル目地に穴を開けそこから「エポキシ」と呼ばれる樹脂系接着剤を流し込み浮いている部分を充填、更にステンレスのピンで補強していく工法です。
このエポキシ樹脂注入についてはネットで調べればたくさんでしょうからここではざっくりと手順を紹介します。

まずは浮いている面に振動ドリルを使用して穴を開けます。振動ドリルはドリルの回転∔ドリルの振動でモルタルやコンクリートを砕いていきながら穿孔(=穴あけ)するというドリルです。同様のドリルに「ハンマードリル」というものがありますが振動ドリルの方が振動が細やかで躯体と貼り付けモルタルの浮き代を塞がない繊細な穴を開けやすい為一般的には振動ドリルを使用することがほとんどだと思います。穴の大きさはエポキシ樹脂を注入後に挿入するステンレスピンよりも1~2㎜程度大きい穴で、深さは躯体コンクリートに30㎜程度達するまでの深さとします。(写真では諸事情により無振動ドリルという特殊なドリルで穿孔=しております)

穿孔(穴あけ)後、スプレータイプのエアダスター等を使用して穿孔時に発生する粉塵を清掃、専用のグリースガンで2液タイプのエポキシ樹脂を穿孔箇所に充填していきます。この時うまく入らない場合がありますが微妙に角度変えたりグリースガンを押し付ける力を変えたりすると上手く入っていく事が多いです。また、よく見るとグリースガンのノズルの先に白い布のようなものが見受けられると思います。これは「ウエスパッキン」と呼ばれるものでグリースガンで注入時に脇からエポキシ樹脂が漏れ出さないようにする為にパッキン代わりに使用するものです。また弊社では万が一の漏れ出しに備え、パイオランテープで穴あけ部分を養生してエポキシ樹脂を注入することにしております。エポキシ樹脂がタイルに付着した場合完全に除去することは非常に困難です。YouTubeなどを見るとグリースガンでエポキシ樹脂を注入する動画を見る事が出来ますが、驚くことにタイル面に平気で付着させているものがあったりして他人事ながらどうするのだろうとびっくりします。

エポキシ樹脂充填後躯体コンクリートとタイルを物理的に固定する為のステンレス製のピンを挿入し穿孔箇所表面を目立たない色のパテ状エポキシ等で仕上げます。

時々ステンレス製のピンを挿入したものの内圧でステンレスのピンが押し戻されてくる場合があります。その際はウエスパッキンを逆流防止用として流用し、ステンレスの押し戻しを防ぐ場合があります。(穴空き部分に一部ウエスパッキンが残っている部分が該当する部分です)

写真がエポキシ樹脂注入完成直後ですが補修跡も目立たず良い感じで仕上がってます!

取り急ぎ、ざっくりとエポキシ樹脂注入ピンニング工法の手順を説明させていただきましたがここで問題が一つありまして…問題というよりも工法の選択肢として非常に難しい部分ではあるのですが、いわゆる下地浮きの状態でも浮き代(躯体コンクリートと貼り付けモルタルの浮きの間隔)が小さくエポキシが入っていかない場合があります。下地浮きなのにエポキシが入っていかない場合の浮きは打診検査時の打音で判断し弊社では「注入不可浮き」としてタイル張替の工法で補修することになります。

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