実はコンクリートは打ちっ放し仕上げ風塗装になっているのをご存じですか?

■コンクリート打ちっぱなし仕上げは打ちっぱなしではない

街中で時折見られるコンクリート打ちっぱなし仕上げの建物ですが、実はコンクリートそのままの仕上げでないのはご存じでしょうか?素人目にはわからないかもしれませんがコンクリートの上から保護塗装がなされています。かなり昔は本当にコンクリート打ちっぱなし(むき出し)だったようで躯体の保護層が無い為劣化が激しかったそうです。
今ではコンクリートむき出しのまま完成という事はありえないので何らかの保護塗装がなされているのは間違いないという事になります。

■コンクリート打ちっぱなしの外壁のメンテナンス周期は?

新築時に保護塗装されているとはいえ、それほど厚い膜で覆われているわけではない為劣化も早いといえます。本来は10年以内で塗り替えた方が良いと思われますが新築時から10年経たないうちに
塗り替えを行う人は稀有といえるでしょう。1回目のメンテナンス塗装の際はコンクリート下地の劣化を目安に行うのが良いのではないかと思います。

◇代表的な劣化例
◎クラック(ひび割れ)
◎爆裂・欠損
◎エフロレッセンス(白華)
◎外壁表面の剥がれ(水が染み込んでいる等)
主な不具合を4つほど挙げましたがこれらの不具合は漏水の原因になることも多いです。本頁はコンクリート打ちっぱなし仕上げの塗装をメインに扱っていきたいと思いますので補修についてはまた別の機会で述べようと思います。

懸垂下降しながら打ちっぱなし仕上げ風塗装(パターン付け)

■コンクリート打ちっぱなしのメンテナンス塗装方法は?

コンクリート打ちっぱなしの建物のメンテナンスとして塗装を行う場合、何種類か方法があります。それぞれ特徴がありますので主なものを列挙してみましょう。

◇一般的な外壁塗装

いわゆる外壁用の塗料でコンクリート打ちっぱなしの壁面を塗りつぶしてしまう工法です。下塗りを合わせて3工程ありますから壁面の保護にはなりますが所謂「打ちっぱなし」の風合いは全くなくなってしまいます。

もう少し費用を掛けられるのであれば同じ外壁塗装でも「複層仕上げ」という工法もあります。
この複層仕上げは下塗り・主材塗り×2・上塗り×2の5工程あり、材料の複層塗材自体が弾力に富んでいる為一度塗ってしまうと表面的なクラックが発生しにくい工法となっています。こちらも壁面を塗りつぶしてしまうため打ちっぱなし仕上げの風合いは全くなくなります。

この複層仕上げに対して通常行う3工程の塗装を単層仕上げと呼びます。

◇浸透性撥水材塗布

無色透明な撥水材を塗布して仕上げる工法でパッと見色は付きませんので下地を補修していない限りは何もやってないように見えるのが特徴です。水を掛ければ壁面を水玉が転がっていくので撥水しているのが分かりますが数年すると表面撥水は無くなります。

しかしながら、「浸透性」の名の如くコンクリート壁面の中に防水層を形成し、コンクリートの中に水が回らないように撥水性成分が残存し物によっては10年程度はコンクリート内に残存するという事です。

撥水材仕様でメンテナンスを行うときの注意点としては新築時の保護塗装が残っている場合は保護塗装の影響でコンクリート自体が撥水材を浸透させない為全く無意味な施工になってしまうところです。コンクリートの保護層が完全に劣化した状態を見極めて浸透性撥水材を塗布する必要があろうかと思います。
また、相当数の外壁の下地補修が必要な場合は、撥水材自体が無色透明である為、補修跡の「ぼかし」を上手くやらないと補修跡が目立ってしまいきれいな仕上がりが望めません。

クリヤー塗装

読んで名の如く透明な塗料を塗る工法です。浸透性撥水材も透明でありますがクリヤーの場合はコンクリート本体に浸透せずに外壁表面に膜を作る為、「表面に何かを塗っているな」というのは分かります。透明なクリヤー以外にも若干色がついているカラークリヤーというものもあります。

このクリヤー塗装の場合も基本的には透明である為、下地が相当数ある場合は補修箇所のぼかしのテクニックが重要なカギとなり、下地補修に高度なテクニックが要求されます。

打ちっぱなし仕上げ風塗装

最近は新築時にも打ちっぱなし仕上げ風塗装がなされているものがほとんどですが、コストの事があるのかパッと見でも塗膜が薄いようです。打ちっぱなし仕上げ風塗装の工法は塗料メーカー各社が出していますがその中でも最もメジャーなものの一つに大日技研工業の「ランデックスコートB工法+FC特殊工法」いうものがあります。弊社では最も使用している打ちっぱなし仕上げ風塗装の工法です。

下塗りから含めての工程数も5工程あり塗膜の厚みも十分付けられます。また工程の途中にFCコートと呼ばれる色斑調整材を塗布する工程があり、下地補修箇所を自動的にぼかしてくれます。 見た目コンクリート打ちっぱなしの風合いが残せるので相当数の補修が必要なコンクリート打ちっぱなし仕上げの建物のお客様には基本的にこの 「ランデックスコートB工法+FC特殊工法」 を勧めています。但し費用は割高になります。

■打ちっぱなし仕上げ風塗装 (ランデックスコートB工法+FC特殊工法)について

先ほど述べたように非常にメリットの多い打ちっぱなし仕上げ風塗装ではありますが工数が5つある為ほかの工法より割高になります。材料も高めです。また、コンクリート打ちっぱなし独特の風合いを出すための工程については作業する人のセンスが必要である為、作業員の腕に左右されるところもあります。
せっかくですのでこの工法の流れを見てみましょう。

打ちっぱなし仕上げ風塗装(プライマー)
下塗り

この壁面は新規に作成した打ちっぱなし風の下地である為「WS200プライマー」吸い込み止めの 下塗り材を塗布します。まだ打ちっぱなしの保護が効いており水分の吸い込みが無い場合はプライマーアクア#50を使用します。

打ちっぱなし仕上げ風塗装(疎水剤)
疎水剤塗布

撥水の為の「ランデックスコートWS疎水剤」を塗布します。乾くと色がクリヤー色になります。均一に塗布するのがちょっと難しいです。

打ちっぱなし仕上げ風塗装(FCコート)
FCコート塗布

FCコートと呼ばれる半透明の塗料を塗っていきます。FCコートは下地補修後の色斑調整材としての役割を持ち、下地補修後の補修跡を目立たなくさせてくれる役割を持ちます。半透明である為一般的な塗料のようなベタ塗り感が無く所謂「コンクリート打ちっぱなし」感を残してくれます。

打ちっぱなし仕上げ風塗装(パターン付け)
パターン液塗布

コンクリート打ちっ放し仕上げ独特のムラを再現する為専用のパターンスタンプと呼ばれる専用のパットを使い軽く抑える感じでムラを再現していきます。この作業の良し悪しが仕上がりにかなり影響していきますのでなるべく自然なムラに見えるように抑える角度を変えたりしながら着色していきます。

打ちっぱなし仕上げ風塗装(疎水剤2回目)
疎水剤塗布2回目

最後にもう一度疎水剤を塗り完成となります。その際に不自然な部分は修正していくこともありますがあまり手直ししすぎると不自然感が増したりするので難しいところです。

打ちっぱなし仕上げ風塗装施工後
施工後

こちらの物件は人手不足の為、塗装の工程の最初から最後まで代表である私自身が担当しました。古めかしい感じの塗装から一転して今っぽいコンクリート打ちっぱなし風仕上げの壁面に変わり、いい感じにリニューアル出来て良かったです。

■まとめ

コンクリート打ちっぱなし仕上げのメンテナンスは、ひび割れ、爆裂・欠損、エフロレッセンス、外壁表面の剥がれなどが目立ち始めたら検討していく必要があります。予算に応じた仕上げ方がありますが、劣化度が少ないようであれば浸透性撥水材若しくはクリヤー塗装、ある程度劣化が進んでおり相当の下地補修を行った上でコンクリート打ちっぱなし風仕上げの風合いを残したいのであればコンクリート打ちっぱなし仕上げ風塗装が最も適しているといえます。

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