日本の外壁塗装の歴史の流れ

外壁塗装は住宅を長持ちさせるための役割として、大きなメリットを持っています。
昨今の日本の家屋では、この技術は当たり前に見かけることができます。
ただ、いつ誕生しどのように存在が広がって今に至ったのかを知る人はあまり多くはありません。
ここでは、その歴史の流れについてみていきます。

塗装という広いカテゴリーで言えば、漆塗りなどの工芸品や土器などの発掘から歴史は深いものとなります。
しかし、建物の外装に関しては古くは草壁や土壁で出来たものが多く、外壁の塗装をするという文化は日本にはありませんでした。
竹を編んだものに土を塗り重ねて、乾燥させた壁に白土を上塗りするという白壁が有名です。
戦国武将の白い城も塗料によって白くなっているわけではなく、あくまで白土を壁に塗っているだけなのです。
日本家屋ではこの白壁が主流となっていました。

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外壁の塗装技術が誕生した背景には、明治維新後の西洋文化の伝来があります。
西洋の文化には日本の常識を覆すものも多く伝えられ、家屋に関する知識や技術もその中の一つです。
1854年3月31日、日米和親条約が締結された建物に施したのが日本で初めてだと言われています。
その後、明治時代には茂木兄弟の二人によって練り塗料を製作され、翌年に開催された第二回内国勧業博覧会にて褒章を受章して広く知られることになりました。
また同年には「光明社」という会社を立ち上げて塗料の国産化も始まります。
現在でも「日本ペイント株式会社」と名前を変えて存続しています。

当初の塗料は乾性油や天然樹脂を基準としたものだったため、乾燥までの時間や耐候性に改善の余地がありました。
合成樹脂技術の登場や、昭和に入ってからフタル酸樹脂塗料等が開発されたことで塗料が抱える問題を解決していくことになります。
さらに、戦後になるとエポキシ樹脂や塩化ビニール樹脂塗料の実用化が進められたことで、その性能は飛躍的な進化を遂げています。
現在では高耐久性タイルやウレタン、シリコンやフッ素などに発展し、今もなお改良が加えられているのです。
環境問題に配慮した低汚染塗料や、防カビ機能の向上、断熱性を兼ね備えたものなども登場しています。

このように外壁塗装の歴史は、塗料の進化の歴史でもあります。
少しずつ日本の住まい環境が変化する以上、その進化も止まることがありません。
また、環境への配慮や住まいの在り方などの価値観も外壁には込められているのです。

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