東京都|中野区の商業ビル大規模修繕工事の現場、着工から竣工まで。

弊社では、足場を掛けない外壁工事という特殊な工法であるがゆえに、様々な理由で足場が掛けられないお客様のご要望にお応えする為、基本的には日本全国どこでも工事を行っておりますが、本記事では珍しく本社がある東京都中野区のビルの大規模修繕工事の流れをご紹介させていただきます。

灯台下暗しではないですが、中野区に本社である割には中野区の案件が数多くあるわけではないのも面白いところではあります。

◎工事概要
物件名:ヴワドール
住所:東京都中野区中野
建物種別:地下1階・地上7階建商業ビル
造り:鉄骨造
工期:2016年11月1日~2017年1月14日
工事内容:大規模修繕工事(以下詳細)

  • 共通仮設工事
  • 直接仮設工事
  • 下地補修工事(タイル面及び塗装面~調査補修後増減計算方式)
  • シーリング工事
  • 外壁塗装工事
  • 鉄部塗装工事
  • 防水工事
  • 長尺シート張り工事
  • その他工事

こちらのビルも基本的な仕様はビルの全体的な修繕、いわゆる大規模修繕工事というこで承りましたのですが、入室されているテナントが比較的おしゃれな感じの店が多く、お客様のご要望としても多少おしゃれに仕上げたいということでした。
建物の造りは鉄骨造で、通りの面がタイル面、残り3面が塗装面となってます。現況角地にコンビニがありますがもともとはビルが建っていました。そのビルを解体した後に低層棟のビルが建ったので隣のビルに隠れていて見えなかった塗装面が見えてしまって、そこの汚れが目立つのも本大規模修繕工事を決意した理由でもあるようです。

■下地補修工事

外壁調査後タイルの要補修枚数が確定しますが、この建物は鉄骨造であることがミソでして、基本となる鉄骨の柱や梁を軸に、ALC(軽量気泡コンクリート)と呼ばれる壁材を張り付けて形を成しています。強度を出すのは鉄骨の柱や梁となるのでALC自体には強度はありません。

そして、このALC、セメント等に発泡剤を混ぜて高温高圧の状態で養生、多孔質化させたコンクリートである為、通常のコンクリートよりも脆い性質があります。

□タイル工事

タイル張替
タイル張り替え

一般的にALC下地のタイルにはエポキシ樹脂注入ピンニング工法は適用しません。理由についていくつか聞いたことがあるのですが、通常のコンクリートより強度的に脆いALCに、硬化するとコンクリートと同等以上の強度発揮するエポキシを使用すると、その強度差からALCの破断を生じる可能性がある為とかALCの基本に接着剤が吸い取られて強度を発揮しないとかであります。メーカーに聞いても良い返答は得られない為、基本的にALC下地の場合はタイル張替えの工法が適用となります。
※一部責任施工においてALCにエポキシ樹脂注入可としている工法があるようですが、特殊工法については弊社では調べきれないのでここでは触れません。

□外壁塗装面下地補修工事

外壁塗装面下地補修工事
外壁塗装面下地補修

外壁塗装面である為、補修には専用の補修材を用います。鉄筋コンクリートの場合はエポキシ樹脂モルタルを使用したりしますがALCとは差材強度が違いすぎる為です。弊社で最も使用する頻度が高いものは「カルモル」や「サンモルC」といったALC補修材でしょうか。どちらもALCの補修材としてはメジャーな材料です。

■シーリング工事

懸垂下降しながらのシーリング工事
シーリング工事

こちらはALC板とALC板の間の目地にシーリング材を充填し均しているところです。ALC板間の目地はVの字の溝になっており谷間に幅5mm程度のシーリングが打ち込まれていますが、目地の深さが10mm程度、幅20mm程度程ある為、谷間のシーリングを撤去せずにそのままシーリングを打ち込む「増し打ち」という工法で施工する場合が多々あります。

個人的に、シーリングの幅及び深さとも十分なものがあると思われる為、塗装面の板間目地に関しては増し打ちで十分かなと思います。

外壁塗装工事

階段内壁塗装工事、施工前・施工後
階段内塗装

塗装面が圧倒的に多いこの現場のメインの工事は外壁塗装工事となります。下塗りに微弾性フィラーを使用し、上塗りはエスケー化研社製の水性セラミシリコンを2度塗りとさせていただきました。

飛散防止養生ネット設置
飛散防止養生ネット

建物の形は複雑ではない為、施工する側としてはやりやすいのですが、隣接している建物が多い為塗料の飛散防止に気を使います。その為、飛散防止養生ネットの設置にいろいろと工夫が必要でした。

■鉄部塗装工事

鉄骨階段塗装工事
鉄部塗装

外部階段が鉄骨階段となっているため、鉄部をきれいに仕上げる事が出来るかどうかでこの建物のオシャレ感も決まってきます。
錆も結構出ていたのでしっかり錆落としした上で溶剤系のウレタン塗料を2度塗りとさせていただきました。若草色の配色もなかなか良い色の選択だったと思います。

■屋上防水工事

屋上防水工事
屋上防水・改修用ドレン

屋上防水については、一般的なウレタン防水の密着工法でのご提案となりました。漏水の原因となりやすい排水のドレンの改修(改修用ドレン設置)も含めての提案としております。

■長尺シート張り工事

外階段、躍場共コンクリートの上に床面塗装がなされている状態でしたが「もう少しおしゃれな感じに仕上げたい」ということで床面に塩ビ製の長尺シートを張るご提案とさせていただきました。また同様にサービスバルコニー内の床面も元々の床面塗装仕上げから塩ビ製長尺シート張りのご提案とさせていただきました。

□鉄骨階段床面長尺シート張り

鉄骨階段長尺シート張り工事
長尺シート張り

床面のシート張りが決まると鉄骨階段の色味とも相まって非常に良い感じの仕上がりとなりました。高級感が出て美しい仕上がりです。

□バルコニー床面長尺シート張り

バルコニー床面長尺シート張り工事施工中
バルコニー長尺シート張り

長尺シートの自体にかなり重量がある為、バルコニー内に長尺シートを張っていくのはそれなりのノウハウが必要となります。その分仕上がった時の美しさはまた格別なものがあります。

■まとめ

中野駅周辺は商店街と繁華街が隣り合わせで非常に栄えており、どちらかというとごちゃごちゃした感がある街ではありますが、少し歩くとすぐに住宅街が広がってきて田舎風情も感じられる非常に良い感じの土地柄です。

近年、中野駅周辺の再開発、また西武沿線の駅も再開発が進んでおりどんどん街が大きくなっていく感じです。大型のビルやマンションもどんどん建ってきており大規模修繕の需要はどんどん増えていくのではないのでしょうか。

地元オフィスチャンプでは中野区の大規模修繕工事は大歓迎です。大規模修繕工事だけでなく小規模補修から外壁塗装、シーリング工事、タイル工事、防水工事等単体の工事も大歓迎で受け付けておりますのでビルやマンションの外壁工事でご相談が御座いましたらお気軽にお声がけください。

あと、余談ではございますが、私が20代の時、この現場の近くに住んでおりまして、このビルの半地下のショットバーによく飲みに行かせてもらってました。酒もうまいし食べ物も旨い!「ShotbarSincerely(ショットバーシンシアリー)」もしお近くに寄った際は是非訪れてみてください。

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