「足場を掛けないと力が入らないのでキチンとした工事が出来ない」という誤解について

塗装

この「足場を掛けないと力が入らないので…」という質問は前からよくある質問です。結論から言ってしまいますとこれは大いなる誤解と言えます。

確かに削岩機で壁面を壊すような重斫り(ハツリ)作業などは足場がないとやりにくい、というよりもちょっと無理かもしれませんが、例えばタイルを張り替える際にタイルを剥がす(斫る)、エポキシ樹脂注入ピンニング工法の際に振動ドリルで穴を開ける、シーリング打ち替えの際に既存のシーリングを撤去する、塗装工事の際に塗料を壁面に塗り付ける程度の力では懸垂下降での作業(無足場による作業)について全く問題がありません。

外壁修繕工事の際に力を必要とする作業について

通常のビルやマンションの大規模修繕工事において、最も力を必要とする作業と言えば、タイルの斫り(剥がし)作業、タイルの浮きの補修工事の工法である「エポキシ樹脂注入ピンニング工法」の際に振動ドリル等で穴をあける作業、シーリング打替え工事の際に既存のシーリング材を撤去する作業、アスファルトシート防水層や長尺シートの撤去が考えられます。

このうち、アスファルトシート防水層の撤去と長尺シートの撤去については地に足が着いた状態での作業となる為除外するとして、「タイルの斫り」「ドリルの穴あけ」「シーリング材撤去」の3つが一般的な外壁修繕工事の際に行われる作業としては最も力がいる作業ではないかと思われます。

懸垂下降によるタイル斫り作業
タイル斫り

こちらは京都市上京区の鉄骨造のマンションにてタイル張替工事を行っている最中の画像です。タイルの浮きやひび割れなど、不具合のあるタイルを剥がしているところですが作業員自身がバランスを取りながら体を固定しタガネとハンマーを使用してタイルをはがします。

タイルをはがす際、タイル陶片(本体)だけでなくタイルを張り付ける際のモルタルも除去する必要があるのですが、タイルそのものを剝がすよりもその下地である張り付けモルタルを剥がす方が何倍も大変ですがその作業も全く問題ありません。

タイルを剥がした後は、当然、新規にタイルを張り付けることになりますが、1箇所当たりのタイル貼り付け枚数少ない場合はタイル本体の裏側にモルタルを塗り、剥がした部分にタイルをたたき込むようにして張り付ける為、こちらも作業員自身がバランスを取りながらタイルを張り込んでいくことになります。

懸垂下降作業によるシーリングの撤去作業
シーリング撤去

こちらは大阪市中央区のマンションの大規模修繕工事を行った際のシーリング撤去中の画像です。

このマンションはシーリングの打ち替え数量が2000m以上あるそれなりの規模のマンションでしたが、弊社の女性スタッフでも難なく作業しているのがお分かりかと思います。力の入れ方とバランスのとりようで女性でも問題なくシーリング撤去工事が可能です。

懸垂下降によるドリル穴あけ(穿孔)作業中
ドリル穴あけ

こちらは東京都杉並区の大規模修繕工事の際のエポキシ樹脂注入ピンニング工法にてドリルで穿孔作業(穴あけ)を行っているところです。このドリルは「無振動ドリル」という特殊なドリルで、ダイヤモンド付の特殊なビット(ドリルの刃)を使用し超高回転でモルタルに穴を開けていきます。

モルタルの穿孔作業で一般的に使用する「振動ドリル」はドリルの刃の回転+ドリルの刃の振動の2つの力で穴を開けますが、無振動ドリルは回転力のみで穴を開ける為、開いた穴が大変キレイでエポキシ樹脂がタイル浮き部分に入っていきやすいのが特徴です。

無振動とはいえドリル本体をタイルに押し付けながらの穴あけとなりますのでそれなりの力が必要となってきます。もちろん、振動ドリルも使用しますのでこちらは無振動ドリル以上の力が必要となりますが、それでも基本的に問題なく作業は出来ますので一般的な大規模修繕工事の項目であれば、ほぼほぼ問題なく施工することは可能です。

■仕上がりについて

中には、「施工はできるかもしれないが工事の仕上がりが悪いのではないか?」と思う方もいらっしゃるかと思いますが、例えば仕上がり後の塗装面を見ると、足場を組んで塗装したのか足場を組まないで塗装したのかは全くわかりません。私自身が見てもわかりません。またタイル面にしてもタイルが歪んで貼られていたりというのはありません。すなわち、仕上がりには全く影響しないと思ってもらって結構です。

□足場か無足場か

弊社でも、状況によっては当然足場を使う状況もございますので懇意にしている足場屋さんに足場を組んでもらってから作業する場合も、もちろんあります。仮に部分的に足場を組んで作業を行った場合、その場合でも、足場を組んだ部分と足場を組んでない部分の仕上がりの差は全くありません。

足場か無足場か、施工方法による仕上がりの違い
足場・無足場

上画像の下側の2つの写真は神奈川県相模原市中央区でのマンションの大規模修繕工事が終わった後の写真です。実はこの現場はその建物の形状から一部無足場で工事を行うのに不向きな場所があった為、足場工法と無足場工法と併用する形での施工となりました。

上画像の左下の写真の赤い線より左側が足場作業、右側が無足場作業で行ったものです。細かい部分は分かりづらいのですが、赤い線の区切りが無ければどこまでが足場組んでの施工なのか無足場よる施行なのかは全くわからないと思います。

上画像の右下写真は同現場の塗装面ですが、こちらの面はすべて無足場による施行です。こちらも見ただけでは足場か無足場かは全くわからないと思います。

吹き抜け塗装

この現場で無足場によるロープブランコ工法にこだわったのには訳があり、実は建物の真ん中に大きな吹き抜けがあるマンションでした。施工面の少ない吹き抜け全体に足場を組むのは効率が悪く費用的に大きなロスがある為無足場による施工は必須でもあったのです。

■まとめ

外壁工事において、もし仕上がりが悪いとするならば、それは工法の問題ではなく、施工する作業員の力量や心構え、考え方の問題であると言えるのではないでしょうか。新人でまだ技量的に未熟だったり手抜きをしてしまう者がいたりという事であって工法的なものとは別次元の話と言えます。また、作業員により力量の開きが大きい場合も施工ムラの原因となりうる場合がありうるでしょう。

また、きちんとした工程管理や品質管理が出来ていない場合も、作業の抜けがあったり、手順ミスによる工事のムラが発生したりと出来栄えの良く無い工事の原因と言えるかもしれません。

「工事の出来栄えを左右するのは作業員各々の力量と施工の管理力の問題」ということをしっかりご理解いただければと思います。

弊社では基本的に自社で作業員を養成し、一般的に大規模修繕工事で行われる工事項目のほとんどについて対応することが可能です。時間はかかりますが、基本的に初心者から育成していくため施工の手順やコツを均一化することが出来る為、作業員による当たり外れ(施工の上手い下手)を少なくすることが出来ます。

また適切な工事内容と費用を知ってもらう為、念入りな現地調査を行い、詳細なお見積りをご提出、弊社の得意とする無足場による施工で通常よりも2~5割程度割安での施工を可能としました。

割安な費用で品質の高い工事をご希望の方は是非当社をご指名いただければ幸いです。

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