外壁塗装を施しても短期間で剥がれしまうケースがあります。剥がれてしまう原因は1つではありませんし、複合的に作用して悪影響を及ぼすケースも少なくありません。たとえば、最も単純な原因として塗料の不足が挙げられます。業者によって違いがありますが、外壁に対して3回の重ね塗りを行うのが一般的です。ただし同じ塗料を3回塗るわけではなく、1回目は塗料の定着率を高める接着用の塗料を使用します。この工程を省いてしまうと、短期間で剥がれ落ちることは避けられません。また、それを塗ったとしても他の塗料が不足していると、やはり剥がれるリスクは高まってしまいます。
また、塗料の量が十分であっても同様の現象が起こるケースもあります。その場合は塗った成分に問題があるケースが多いです。つまり、塗料の選択にミスがあったというわけです。一口に塗料といってもさまざまな種類が存在するので、さまざまな要因を考慮して慎重に選ばなければなりません。外壁と屋根とでは適切な成分が異なりますし、劣化の度合いや日照条件なども考慮する必要があります。それらを加味して正しいものを選びだすことは容易ではありません。熟練の職人でなければ、選択を誤ってしまうこともあるでしょう。そのような職人以外が担当するなら、メーカーなどに細かな仕様を確認したうえで、経験に照らし合わせて検討することが重要です。しかし実際には、どこまで丁寧な対応をしていないケースも珍しくありません。依頼が多くなりやすいシーズンは、流れ作業のように済ませてしまう業者も多いです。
それとも関係していますが、乾燥させる時間を十分に確保していないことも原因になりやすいです。外壁の塗料として、水性のタイプを使用することは一般的となっています。このタイプには水分が50%以上含まれており、塗った後に蒸発することで塗料として定着する仕組みです。そのため、乾燥しないまま重ねて塗ってしまうことは正しい処置ではありません。しかし知識や時間の不足によって、そのような処置を行ってしまう業者も存在します。最も外側に塗った部分だけ乾いても、内部が湿った状態だと剥がれしまう可能性が高いです。その他に、外壁に汚れを残したまま塗ってしまうことも原因になります。埃や苔などの上からアプローチすることになり、成分がしっかりと外壁に届いていません。これを避けるには、事前に高圧洗浄機などで徹底的にケアしておくことが求められます。
