先日、数か月続いた大規模修繕工事がぼちぼち終わるということで、職人さんたちに対する労いも兼ねて現地に行って参りました。大阪のお客様からの紹介で弊社の大阪部隊での施工となりました。
この現場ではタイル工事、塗装工事、シーリング工事、防水工事と通常行われる大規模修繕工事項目をすべて行ったのですが、実際に現地にてお見積りに伺った者が現場で陣頭指揮を執りつつ作業が行われたため職人数が足りない割には上手く進めた方ではなかったかと思います。それでも本来は年内に全ての工事項目を終わらせたいところでしたが残念ながら屋上防水工事だけ残ってしまいました。しかしながら、居住者から見える部分(外壁)については全て終わらせることができましたのでお客様にもご納得頂くことがました。
弊社では「足場を掛けない外壁工事」をメインの業務としておりますので基本的には仮設足場を掛けない状態で施工していく事となるのですが飛散が想定される工事項目、例えば塗装工事の前に行う高圧洗浄、塗装工事、外壁タイル洗浄、外壁タイルの張替等については写真のように「飛散防止養生」として外壁にメッシュシートを張り、その中で作業をする形での施工となります。やはり、外部にメッシュシートがかかった状態で新年を迎えるというのは居住者様にとっては気分的に嫌なものですよね。そこを踏まえても年内中に外壁だけでも完了したのは非常に良かったと思っております。
この現場における塗装工事において最も厄介なのは非常に狭い吹抜個所です。幅が狭い為施工する職人もやりにくいことこの上ありません。実際に外壁調査の際に懸垂降下して下地の打診・目視調査を行いますが、新築時に携わった職人さんはかなりやりづらかったのでしょう、不陸やピンホール等かなり多めでした。そのあたりの下地を直した後、「下塗り-中塗り-上塗り」と3工程で塗装工事を行いました。
さらに面白いことに、どういうわけか西面よりも東面の方が風が強い状況が多く発生しておりました。その為、飛散防止養生ネットの拡大写真を見ていただければわかると思いますが(見えにくいか…)、飛散防止養生ネットの外側のさらに外側にロープで筋交いを入れるような形で飛散防止養生ネットの孕みを抑え作業性を向上させることに成功しました。
職人各位仕上がりには気を付けて作業をしておりますがどうしても多少の手直しが発生する場合があります。写真は既に施工自体は終わっている面を現場責任者が手直しを行っているところです。タイルを張り替えた場所については「エフロレッセンス」と呼ばれるコンクリートの「灰汁(アク)」がタイル表面に出てくることが多々あります。下から見て目立つ部分は美観上どうしても気になるところでありますので塩酸、その他酸系の洗浄材、江黒レッセンス除去材等を使用して灰汁を落としていきます。
使用材としてのタイルは本来新築に使用したものと同じものを使用するのがベストですが実際には新築時に使用したタイルの在庫が残ってないことがほとんどかと思われます。その際の選択肢として基本的に2択あり、現況貼ってあるタイルをサンプルとして撤去し新規に作成する方法と量産品の中で似たものを探し出しそれを使用するというものです。タイルを新規に作成する場合のメリットとしては現況のタイルと限りなく近いものを作成し張り付ける為仕上がった際の違和感が殆どないことです。デメリットとしては作成費や運賃、加工費等がかかる為費用的に割高になってしまう事でしょうか。
量産物の近似品を使用するメリットとしては新規にタイルを作成するよりも材料費を割安に抑えられることが最大のメリットとなります。量産品である為、材料の調達も素早く出来ます。デメリットとしては基本的には全く同じ物ではない為、タイルを張った際にどうしても違いが分かってしまい違和感があるということでしょうか。奇跡的にほぼほぼ違和感がない場合もありますがあくまで奇跡的な確率だと思って下さい。
本工事では費用的なものも踏まえ「量産近似品」を使用する形での施工となりました。写真を見ての通り、張り替えた部分とそうでない部分で違いがあるのがお分かりいただけると思います。(写真右上)この部分はまとまって張り替えている為目立ちますが、数枚単位で張り替えている部分についてはほとんど分からない思います。この場合、どちらかというと「違和感が少ない」部類になります。 私個人としては、タイルの作成費については数千万円の予算のうちの数十万円程度である為新規作成をお勧めしておりますが、お客様それぞれの考え方やどうにもならない懐事情など、それぞれの立場における考え方の違いによりいろいろあると思いますのでお客様とご相談、ご納得の上最善の施工を心がけております。
本現場は大阪のお客様のご紹介で施工させていただきましたが、うれしいのはこういったご紹介のお客様やリピーター様の率が非常に高い事です。値段もさることながら「施工力」を売りにできるのは施工会社として本望です。
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