マンションの屋上防水工事とは?必要性や工法の種類、費用相場などを解説

マンションの管理組合で屋上の防水工事をすると決まったが、具体的にどのような工事をするのか、また本当に必要な工事なのかわからない、という方も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、マンションの屋上防水は必要なのかという疑問をはじめ、屋上防水工事をするタイミングや、さまざまな工法の特徴とメリット・デメリット、費用や工事業者の選び方までわかりやすく解説します。

マンションの屋上防水工事を始める前に、疑問点を解消しておきましょう。

■マンションの屋上防水は必要?

マンションの屋上防水工事は、雨漏りや漏水などの問題を未然に防ぎ、建物の寿命を延ばすために必要な工事です。

一般的に、マンションの屋上は平らな「陸屋根タイプ」であり、雨水がたまりやすい特徴があります。屋上の防水工事が行なわれていない場合、雨が降るたびに雨漏りが発生し、建物内部に浸水してしまうでしょう。

さらに、屋上は紫外線や風雨にさらされるため劣化しやすく、防水層(塗装・防水シートなどによる防水加工部分)の機能が落ちたことで雨漏りが起こることもあるのです。

雨漏りによる建物内部への浸水は、建物の躯体を腐食させ、カビや菌の発生源ともなるため、建物の寿命を縮めることになります。

したがって、屋上防水工事はマンションの寿命を延ばし、居住者にとって安心で快適な住環境を提供するために必須の工事といえるでしょう。

■マンション屋上防水工事をするタイミング

防水工事の耐用年数は工法によって異なりますが、10~15年程度が目安とされています。12年周期で行なわれる大規模修繕のタイミングに合わせて、屋上防水工事も実施することが一般的です。

ただし、屋上の劣化状況によっては、大規模修繕の時期よりも早く防水工事が必要になることもあるため、定期的な点検は欠かせません。万が一、雨漏りやひび割れなどが見つかった場合には、早急に対応してください。

建物を守り、居住者に安心で快適な住環境を提供するためにも、適切なタイミングで屋上防水工事を実施しましょう。

■マンション屋上防水工事工法(1)ウレタン防水

マンションの屋上防水工事には4つの工法があります。まずはウレタン防水の工法と、メリット・デメリットから解説します。

◇ウレタン防水とは
ウレタン防水とは、ウレタン樹脂を何層か重ねて塗ることにより防水層を形成する工法で、屋上防水で最も多く選ばれる手法です。

ウレタン防水には、密着工法と通気緩衝工法の2つの工法があります。密着工法はウレタンの防水材を直接床面に施工する工法で、通気緩衝工法は床面に通気マットを敷いてからウレタン防水を施工する工法です。

通気緩衝工法は、高い通気性を維持したまま、水蒸気によって防水層が膨張するのを防げるため、マンションの屋上防水によく採用されます。

なお、ウレタン工法の耐用年数は10~12年です。

◇ウレタン防水のメリット・デメリット
ウレタン防水の大きなメリットは、材料が液状のウレタン樹脂であるため、複雑な形状の屋上でも対応できることです。継ぎ目がない仕上がりになり、継ぎ目から雨水が侵入することもありません。

また、ウレタン防水は上から塗り重ねるので、既存の防水材などを取り外す手間や、撤去する費用もかかりません。比較的簡易な工事で工期も短くて済むため、人件費などの費用も他の工法と比べて安価です。

ただし、職人の腕によって仕上がりに差が出るほか、乾燥に時間がかかるため、廊下や階段など人が通る場所には向いていない、といったデメリットもあります。

■マンション屋上防水工事工法(2)シート防水

2つめの屋上防水工事工法は、シート防水です。

◇シート防水とは
シート防水とは、ゴム製のシートや塩化ビニールシートを接着剤、または機械的に固定する工法のことです。

以前は、安価で耐久性が優れているゴム製のシートが主流だったものの、現在ではゴム製のシートよりも耐久性のある塩化ビニールシートが一般的になっています。

デザイン性が良く、人が出入りする屋上など、人目につく場所に使用されることが多いのが特徴です。

防水シートをプライマーで貼り付ける接着工法と、ドリルを使用して施工する機械的固定工法の2つの工法がありますが、機械的固定工法は振動と騒音が発生します。そのため、あらかじめ入居者や近隣住民への説明が必要不可欠です。

なお、シート防水の耐用年数は10~13年です。

◇シート防水のメリット・デメリット
防水シートを敷く工法であるシート防水は、施工期間が短くメンテナンスも不要であるため、人件費などのコストを抑えることが可能です。また、シート防水では塗料や火を用いないため、施工中の臭いが発生しないのが特徴です。

ただし、シートが剥がれる可能性があるほか、凹凸のある場所や障害物が多い場所での施工には向かない、といったデメリットもあります。

■マンション屋上防水工事工法(3)アスファルト防水

3つめの屋上防水工事工法は、アスファルト防水です。

◇アスファルト防水とは
アスファルト防水とは、合成繊維不織布にアスファルトを含ませてコーティングした、シート状の防水材料(ルーフィング)を貼り重ねる工法です。防水材料(ルーフィング)を重ねることで、より水密性を持った防水層が作られます。

アスファルト防水の工法には、保護工法、露出工法、トーチ工法の3種類があります。

保護工法は、防水材料(ルーフィング)を溶解アスファルトで下地に接着して防水層を形成する工法です。コンクリートやモルタルで防水層を保護することから、保護工法と呼ばれていますが、高温アスファルトで施工するため改修工事には適していません。

露出工法は、コンクリートやモルタルの代わりに保護塗料を塗布して、紫外線から防水層を保護する、新築向きの工法です。

トーチ工法は、改質アスファルトを含んだ防水材料(ルーフィング)を用いる工法です。保護工法・露出工法よりも工程が少なく、安全性が高いため、改修工事に向いています。

なお、耐用年数は10~20年です。

◇アスファルト防水のメリット・デメリット
アスファルト防水の工法は歴史が古く、施工品質が安定していることから、信頼性が高いのがメリットです。また、他の工法と比べて耐用年数が長く、施工後すぐに防水機能を発揮します。

ただし、施工する際に臭いと煙が発生するため、火災のリスクがある、施工の手間が多いことからコストが若干高めになる、などがデメリットとして挙げられます。

■マンション屋上防水工事工法(4)FRP防水

4つめの屋上防水工事工法は、FRP防水という工法です。

◇FRP防水とは
FRPとは「Fiber Reinforced Plastics」の略称で、「繊維強化プラスチック」のことを指します。このガラス繊維製の補強プラスチックに、ポリエステル樹脂を組み合わせたものを塗布していくのが、FRP防水です。

FRPは、船舶や水族館の水槽などに利用されるほど高い防水効果が期待できる工法で、屋上だけではなく、ベランダやバルコニーでもよく利用されます。また、固まるスピードが速いため、一般的には1日で施工が終了します。

なお、耐用年数は8~12年です。

◇FRP防水のメリット・デメリット
FRP防水は、軽量で建物への負担が少ないことがメリットで、屋根の軽量化を図りたい高層マンションや、世帯数の多いマンションへの施工に向いています。また、耐久性、浸食性、耐候性に優れており、紫外線による劣化が少ないのも特徴です。

一方で、伸縮性がないため地震の揺れに弱く、劣化後はひび割れが起きやすい、耐用年数が短い、といったデメリットもあります。

■マンションの屋上防水工事にかかる費用はどれくらい?

マンションの屋上防水工事の費用は、「どの工法を選択するか」「どれくらいの面積を施工するのか」「どの業者に依頼するのか」によって異なりますが、おおまかな目安は以下のとおりです。

  • ウレタン防水:3,000円~7,000円/平方メートル
  • シート防水:2,000円~7,000円/平方メートル
  • アスファルト防水:5,000円~8,000円/平方メートル
  • FRP防水:5,000円~8,000円/平方メートル

マンションの屋上防水工事をする際には、まずは屋上の状態を業者に確認してもらうことが重要です。そのうえで、工法の提案と、見積もりを受けるようにしましょう。

■マンション防水工事業者の選び方

マンションの屋上防水工事にあたっては、業者選びも非常に重要なポイントです。
そこで本章では、工事業者の選び方について解説します。

◇実績で選ぶ
工事業者を選ぶ際には、防水工事の施工実績が多い業者を選ぶことが重要です。特に、マンションの屋上防水工事を得意とする業者であれば、広い場所への施工に慣れており、ノウハウも確立されているため、安心して任せられるでしょう。

また、技術力が高い業者を選びたい場合は、「防水施工技能士」の資格がある職人が在籍しているかどうかも併せてチェックしましょう。

◇サービス内容で選ぶ
見積りの内容を確認することで、サービスのきめ細かさを判断できます。合計価格だけではなく、内訳まで丁寧に記載されているか、工程ごとの範囲や数量、単価など、細かい部分も明記されているか、といった点をチェックしましょう。

また、実際の担当者の対応も確認してください。電話でも対面でも丁寧に対応してくれる、質問に対して納得のいく説明をしてくれるなど、担当者が信頼できる人物かどうかも、業者選びの重要なポイントです。

さらに、アフターサービスや、万が一の場合の保証が充実しているかどうか、といった点も確認しておく必要があります。

マンションの屋上防水工事には、おもに「自社保証」と業者が任意で加入する「瑕疵保険(かしほけん)」があります。仮に施工不良があっても、保証があれば保険金で工事費用をまかなえるため、依頼主に金銭的な負担は発生しません。

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■まとめ

マンションの屋上の防水工事は、入居者の安心と快適な暮らしを守るために必要です。

マンションの屋上防水工事には、ウレタン防水、シート防水、アスファルト防水、FRP防水の4つの工法があり、最適な工法と信頼できる施工業者を選ぶことが重要です。

施工業者を選ぶ際には、「マンション屋上防水工事の施工実績は十分か?」「防水施工技能士を有しているか?」「保証やアフターサービスは充実しているか?」「担当者の対応は丁寧で親切か?」といったポイントを確認しましょう。

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