大規模修繕工事などで行う外壁タイル面の補修工事において、タイルの張替が必要な場面は主に5つあります。
1つ目が「タイル陶片の浮き」と言われるタイルの浮きでタイルの張付用モルタルが躯体と密着しているのですがタイルとタイルの張付用モルタルが浮いている状況になっている状況です。
2つ目はタイルが割れたり欠損している場合で、例えば誰かが固いものをぶつけたとか地震等で建物が揺れて欠損を起こしたとか、稀にですが新築時の検査の際の見落としだとかいう要因もあります。経年というよりも物理的要因で発生する場合がほとんどかと思われます。
3つ目はひび割れた(クラック)タイルを張り替える場合で、場合によってはタイルを剥がした下地にもひびが入っていて「Uカットシーリング工法]等で下地を補修した上でタイルを張り戻したりします。
4つ目は「豊島区のマンション外壁タイル工事②」の項目で少し触れた、「下地浮き」の状態でありながら貼り付けモルタルと躯体との浮き代(浮いている幅)が小さくエポキシ樹脂注入ピンニング工法による施工を行ってもエポキシ樹脂が浮き代に注入することが困難な浮きである場合で、こちらの判別も打診検査における打音で判別することとなります。陶片浮きなのか、下地浮きなのか判別の難しい浮きもありますがそれも注入が困難な浮きとしてタイル張替工法にて補修いたします。
5つ目はタイルが目視で分かるほど大きく孕んで浮いている場合で、この手の浮きの場合はほぼほぼ下地浮きの状態になっており特に新築時から10年も経たないで孕みが見られる場合はタイルを剥がした部分のコンクリートの躯体が艶々にテカっていることが多く見られます。これは、新築時に型枠を組んで鉄筋コンクリートの躯体を組み上げていく際に、コンクリートとコンクリートの型枠の剥離をスムーズにするための「剥離剤」が躯体に残っている状態でタイルを張りつけた為に発生する浮きです。現在では目荒し工程の厳格化や有機系接着剤の標準仕様化によりかなり少なくなっているとは思いますが、所謂「手抜き工事」という事で言えばタイル仕上げ後に発見することは困難な瑕疵である為予算に泣く現場では100%ないとは言い切れないかもしれません。この手のタイルの孕み浮きの場合は緊急を要する場合も多く「タイルの撤去だけでも早めに行ってほしい」という依頼が来たりします。
タイルの種類等で工法がさまざまありますが、あくまで外壁修繕という前提で45二丁タイル(45㎜×90㎜サイズ)の陶片の浮き、欠損、クラックを補修する場合で1箇所1枚~数枚の張替の施工方法をざっくりと説明させていただきます。
打診検査により要張替と判定されたタイルの周辺にディスクグラインダーで切り込みを入れます。これは主にタイルを斫る(剥がす)際に周辺のタイルに影響が及ばないようにするためであります。(写真では撮影の為ディスクグラインダーの回転を止めています)
切り込みを入れたタイルをノミやハンマータイル斫り機などいわゆる「剥がす」ための工具を駆使してタイル陶片を剥がします。タイル陶片を剥がした後、躯体に残っているタイル貼付モルタルも除去します。実はこのタイル貼付モルタルを剥がすのが一番大変な作業でもあります。
タイルを剥がした後の下地を清掃後、タイル陶片の裏面にタイル貼付モルタルや有機系接着剤を盛りタイルを張っていきます。周辺のタイルと均等な感覚が取れているか、タイル表面の高さが周辺タイルと合っているかなどを見ながら張っていきます。枚数がまとまっている場合はタイルの裏側に貼り付けモルタルを塗るのではなく、躯体側に貼り付けモルタルを塗ることもあります。
タイルがしっかり固定されているのが確認出来てからタイル目地に「ゴム鏝」を使ってタイル表面に擦り付けるように充填します。
ゴム鏝でタイル目地材を均した後、水を含んだスポンジを使用して余分な目地材を拭きとっていきます。
以上、タイルの部分張替を行う場合の手順となります。と、説明では一見簡単そうに見えますがタイルを斫る深さの調整や均等にタイルを張っていく技術など説明では分からない技があります。弊社ではビルやマンションに使用される仕上げ材としては高級感あふれ尚且つメジャーな仕上げ材と言えるタイルの補修工事を通年で行っており修繕工事での確かな技術を提供できる環境を整えております。
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