「足場を掛けずに大規模修繕工事を行う最大のメリットは何ですか?」とよく聞かれます。
いろいろな意見はあるでしょうが、私個人的にはズバリ、
「工事を分けて行っても総合的なコストが大きく変わらないこと」
だと思っています。
「足場がないから値段が安いんでしょう?」とよく聞かれます。確かに言われてみ
ればほとんどの場合そうではありますが、仮にすごく暇をしている業者が職人を
遊ばせない為に「他社のお見積りより安くやりますよ」といった場合、どうしよう
もありません。実際に過去に何度かそういうのもありました。
「足場が不要」などの大きな理由がない限りは適正な内容で手順を踏んでいけば
ある程度決まった金額になるのは仕方ないことです。
話を戻します。
例えば、タイル工事、シーリング工事、塗装工事、防水工事をそれぞれ1年ごとに
行っていったとします。その場合、その工事のたびに仮設足場が必要となり、規模
により、都度、数百万単位の仮設費用が掛かることになります。
つまり、タイル工事500万円+仮設足場400万円、シーリング工事、200万円+
400万円…と工事毎に400万円の形に残らない費用が消えていくことになるのです。
これが、足場を掛けずに工事を行った場合、タイル工事650万円+飛散防止養生
70万円、シーリング工事250万円…と、純粋に工事にかかる費用のみの計上で、
400万円の形に残らない費用は不要となります。とはいえ、タイルの張替などで
資材の飛散が予想される場合は飛散防止養生ネットが必要となりますから全く
ロスがないわけではありませんが全体工事から見ると最小限のロスで済むこと
となります。
こちらはとある現場の見積りとなりますが、実際に工事に入る前のお見積りです。
項目で数量が明記されていますが、これは調査前のお見積りですので実際に全て
調べたわけではありません。ある程度決まった係数を壁面全体の数量に乗じて
算出しています。各業者とも、若干差はあると思いますがだいたい似たり寄ったり
の係数です。(上記お見積りでは最初から不具合が多めであることが分かっていた
ため多めの係数となっております。)つまり、最初のお見積りは想定で算出される
ものとなります。
お見積り後、実際に施工させていただく事となり契約、そうしてようやく外壁の
調査から工事を始めることとなります。
画像のように、作業員が懸垂降下しながらタイルを打診・目視調査し終わった
段階でようやく不具合の内容や数量が特定され、それに応じて金額が増減します。
もちろん、打診・目視調査で分かることと分からない事がありますので確定と
いうわけではありませんが、この段階であらかた金額がわかります。
上記画像は、ある現場での当初のお見積りと調査が終わった段階でのお見積り
です。驚くべきことに約1000万円の開きがあります。いくつか追加工事を含め
たのもありますが、金額が膨れ上がった最大の要因は打診調査後のタイル面の
不具合の増加です。「じゃあ、これでは最初の見積りはいったい何だったんだ!」
とお客様にお叱りを受けることもありますが現実問題として今私が知る限り、
「想定数値によるお見積りの算出~調査後増減計算」これ以外に良い方法が
無いのも事実なのです。
大規模修繕の工事内容を絞っていく際、弊社が最優先しているのは、まず
「通行人等へタイル等の仕上げ材が落下して引き起こされる第三者災害の防止」
、「次に居室内への漏水を止める事」となります。今回はその観点から、
通路内やバルコニー内等、仮にタイルが落下しても第三者災害の恐れが考えにくい
部分のタイルの浮き補修については削除、同様に直接雨がかかる部分でもない
のでその部分のシーリング打替を削除しました。その他、妥協できる部分に
関して少しづつ削減していきました。
予算内に収めるべく、必要な部分は残し不要な部分は省いていくという選定を
行った結果、最初の見積りよりは若干金額が増えましたが、何とか管理組合様
の予算内で抑えることが可能となりました。
大規模修繕工事は、工事予算内ギリギリではなくある程度余裕をもって工事を
行うことも伝えておきたいと思います。予算がそれほどない中、何を優先すれば
よいかわからないなどいろいろお困りの方が多いと思います。弊社が得意とする
「足場を掛けない外壁工事」=「無足場工法」はそのような方々を少しでも
助けることができる非常に優れた工法だと自負しております。
大規模修繕から小規模補修まで、長年の実績と少しでもお客様の手助けになる施工を
目指す弊社にご興味があればぜひともご用命ください。
オフィスチャンプホームページはこちら≫