東京都|世田谷区のマンションの大規模修繕工事、着工から完工まで

世田谷区は東京都の南西部に位置しており、すぐ隣は神奈川県川崎市という立地です。東京23区内では2番目に大きい面積を誇り、その分人口も94万人(2021年9月現在)と23区で最多を誇ります。世田谷区と一括りに言っても、面積が広い為エリアにより特色に差があります。例えば、世田谷区東北部の北沢エリアでは学生が多く集まり若者に人気のエリアです。サブカルチャーの町としてもでも有名であります。そうかと思えば西部の砧地区は閑静な住宅街となっており、中でも成城地域は高級住宅街として有名です。

今回、本記事でご紹介する現場は世田谷区の中央部に位置しており、幹線道路である246号線が東西を貫いている地区で、人気の住宅地である三軒茶屋の近くでもあります。

◎工事概要
物件名:ドエル・クレイン
住所:東京都世田谷区駒沢
建物種別:地上6階建共同住宅(マンション)
造り:RC(鉄筋コンクリート)
工期:2016年8月15日~2016年10月31日
工事内容:大規模修繕工事(以下詳細)

  • 共通仮設工事
  • 直接仮設工事
  • 外壁補修工事(タイル面及び塗装面~調査補修後増減計算方式)
  • シーリング工事
  • 外壁塗装工事
  • 鉄部塗装工事
  • 防水工事
  • その他工事

■外壁調査工事
場内養生・荷揚等、ひと通り終わったのちに外壁の打診及び目視調査に入ります。お見積りの際の現地調査では分からないタイルやモルタルの浮き、ひび割れの長さや幅等、不具合内容や数量を細かく分けて調べていきます。

◇打診調査

打診・目視の調査結果を調査記入用図面に書き込むとともに、実際の壁面にもマーキングをしていきます。施工の際は調査図面と実際のマーキングと両にらみで施工していきます。画像ではタイル面の打診調査を行っていますが、実際には塗装面も打診調査を行いモルタルの浮きがあるかないかを調べていきます。経験上、築年数が古いほど塗装面のモルタルの浮きが多くあります。

■直接仮設工事
直接仮設工事とは、足場やゴンドラなど、直接工事にかかわる仮設を指します。弊社では「足場を組まない外壁工事」を得意としておりますので、特に必要でない限り足場は組みませんが、飛散が想定される工事などの際は「飛散防止養生ネット」設置し工事を行います。

タイル張り替えや高圧洗浄など飛散が想定される工事については飛散防止養生ネットを設置して工事を行いますが、こちらの案件の場合は246号線に面しており、それなりの人通りも想定されることから落下防止の水平養生や、ガードマンの配置等、最大限安全に配慮した形で施工を行いました。

■外壁補修工事
こちらの世田谷区の案件では、外壁調査の結果、当初予定よりもかなりオーバーしてしまいましたので内容を精査し施工内容を調整の上、許容範囲内の予算まで持っていきご理解いただいた上での施工となりました。

◇タイル張り替え

外壁タイルの張り替えに該当するタイルの不具合は主に、欠損・陶片浮き・小規模な下地浮き・ひび割れ(クラック)・はらんで浮いているタイル、となります。下地浮きは、一般的にはエポキシ樹脂ピンニング工法が採用される場合がほとんどですが、小規模な下地浮きを張り替える理由は、浮き面積が小さい分、浮き代(浮いている空間の幅が小さくなり、エポキシ樹脂注入ピンニング工法で使用するエポキシ樹脂が入り込まない可能性があるからです。(タイルの浮きの種類、及び浮き方の違いによる補修方法の違いについてはこちらをご参照ください)

◇エポキシ樹脂注入ピンニング

外壁タイル面についてエポキシ樹脂注入ピンニング工法を適用する場合は、いわゆる「下地浮き」と呼ばれる状態で浮いている外壁タイル面に適用され、外壁塗装面の場合は躯体コンクリートの補修モルタルが浮いている場合に適用されます。この世田谷区のマンションの案件では、築年数が古く(施工当時で築34年)、躯体コンクリートの補修モルタルもかなり厚めに盛られていた為、ドリルによるかなり深い穿孔(穴あけ)を行った上でのエポキシ樹脂注入となりました。

◇爆裂補修・ひび割れ(クラック)補修

爆裂とは、コンクリート内部の鉄筋が錆び、膨らんで表面のコンクリートを押し出している状態の事を言います。通常のコンクリート欠損と違い、鉄筋が錆びた上で起こっている現象である為、鉄筋の錆を落とし錆止め処理を行った上で欠損部を充填します。欠損の充填にはエポキシ樹脂モルタルと呼ばれる通常のモルタルよりも比重の軽い材料を使用する場合が多いです。

ひび割れの補修については様々な工法がありますが、0.3mm以上のひび割れを補修する場合、Uカットシーリング工法と呼ばれる工法で補修する場合がほとんどだと思われます。このUカットシーリング工法は確実にクラックを補修できる利点がある反面、一旦クラックの幅をあえて広げた上でシーリング材+樹脂モルタル等を充填し補修する為、どうしても補修跡が残りやすいのが欠点です。

弊社では、2021年より極力Uカットシーリング工法は行わず、補修跡を残さない工法でクラック補修を行う事を勧めております。

シーリング工事
この世田谷区の案件では外部のサッシ廻りや目地を中心に通路内のドア廻り等のシーリングを新規に打ち替えました。

◇サッシ廻り・打継目地シーリング

サッシ廻りや打継目地のシーリングの劣化は漏水や躯体の劣化に直接影響してくる大事な部分です。シーリング自体耐用年数がそれほど長いわけではなく、特に陽が当たる南面や西面では劣化の進行も早く進みます。大規模主膳工事での雨がかり部分のシーリングはある意味必須の工事とも言えます。

◇通路内、その他シーリング

外部では、躯体と貫通している部分やその他爆裂が懸念される部分や気になる部分をシーリングしていきました。通路内は漏水等の懸念はありませんが、コンクリートと鉄など素材が異なる部分の緩衝材としてのシーリングを打ち替えました。

■塗装工事
通常、ビルやマンションの大規模修繕工事での塗装工事では外壁塗装と鉄部塗装に分かれます。塗装塗膜は美観を整えるだけでなく躯体や鉄部の保護膜としての機能もある為、塗膜劣化が進んできた際は塗り替えが必須となります。

◇外壁塗装工事

一般的な外壁塗装は、高圧洗浄→下塗り→上塗り1回目(中塗り)→上塗り2回目の手順となります。下塗りを含めて3回塗装するのは適正な膜厚を確保する為だけではなく、塗りムラによる美観上の不具合を防ぐためでもあります。ローラーによる施工で上塗り1回でムラ無く仕上げるのはかなりのベテランでも至難の業です。きちんとした手順を踏むことで塗装塗膜の性能をフルに発揮することが出来ます。

◇鉄部塗装工事

基本的に鉄は酸化しやすい(錆びやすい)特性を持っている為、錆を防ぐためにも鉄部の塗装工事は必須となります。手順としては、さび落とし(ケレン)→錆止め→上塗り1回目(中塗り)→上塗り2回目となりますが、特にさび落としは大事でさび落としが上手くいっていないと「塗装しても半年も経たないうちに錆びてきた」という事も平気であります。鉄部の塗装は繊細な作業も多く、作業員の技術が出やすい作業でもあります。

■防水工事
防水工事は大規模修繕工事の項目でも非常に重要視されることが多い項目です。大規模修繕工事前に漏水が発生していた建物などでは大規模修繕工事に先んじて防水工事の澪行っている場合もあります。

屋上防水工事

元々、屋上防水工事は施工済みでしたが、かなり前に施工したもので、更に膨れや破損部分が生じていましたから再施工の必要がありました。一般的なウレタン防水工事の流れは洗浄・下地補修後、下塗り→ウレタン1層目→ウレタン2層目→トップコート塗布となります。今回の屋上のウレタン防水工事では、トップコートに10年間ノーメンテナンスを謳っているフッ素系のものを使用しました。一般的なアクリルウレタン系のトップコートでは、メーカー曰く「5年後に再度トップコートを塗り替え」と謳っていますので、メーカーの謳い文句通りに施工した場合、トータルランニングコストはかなり安くなります。

塔屋屋上防水工事

塔屋屋上の防水も施工済でしたが、画像のように平場のウレタン防水についてはほとんどペラペラと捲れてしまいました。ここまで捲れるのは珍しい事ですが、当初の防水の施工に不具合があったのでしょうか…塔屋屋上も屋上と同様の工法で施工し、トップコートもフッ素系を使用しました。

バルコニー床面防水

バルコニーの床面についても前回の大規模修繕工事で施工しているようでしたが、今回の大規模修繕工事でもウレタン防水塗り重ねでバルコニーの床面の防水工事を行う事となりました。
バルコニー内に入る際には各住戸内には入らず屋上からロープによる懸垂下降によりバルコニー内にアクセスします。
ウレタン防水材を塗布する際、広い場所であれば鏝(コテ)やクシベラと呼ばれる特殊なへらを使用する場合が多いのですが、バルコニー内は狭かったり、その狭い場所内に立上や側溝等の段差も多い為、ローラーで施工する場合が多く見られます。

◇塔屋階段・マンション階段ウレタン防水

塔屋階段は踏面のモルタル面から水が染み込み塔屋階段鉄部の腐食の原因になっていた事、マンション階段は雨が吹き込みやすくなっており、吹き込んだ雨水の通り道になっていることから美観向上も兼ねて両方のウレタン防水施工をご提案、実施となりました。画像を見ての通り、機能的にも美観的にも著しく向上する事が出来ました。

防塵塗装工事
防塵塗装とは、床面にホコリ等が付着しにくくする、ホコリ等が舞い上がりにくくするための塗装です。塗膜が非常に硬い為耐久性に優れており、駐車場や車路、倉庫などの床面に採用される場合が多い塗装です。

外階段から連なるエレベーターホールの床面についてはウレタン防水ではなく防塵塗装とさせていただきました。理由は、
①ウレタン防水だと1工程ごとの乾燥時間がかかりすぎ、人が通れない時間が長すぎる
②人を通すために床面を半分ずつに分けて施工すると床面に継ぎ目が出来てしまいやすい
③半分づつに分ける為に工数がかかりコストがUPしてしまう
以上の理由から速乾の防塵塗料を使用して継ぎ目の無いきれいな仕上がりにすることが出来ました。
直接雨がかからず水の通り道は側溝のみである為、美観を優先させて正解であったと言えます。

防塵塗装の流れは通常の塗装と変わらないのですが、人が通る床面に施工する場合には滑り止めの骨材(砂利や砂)を散布したりする必要がある為、通常より工数がかかるのが一般的です。

まとめ
世田谷区での大規模修繕工事の実績はいくつかありますが、この案件の場合は幹線道路である246号沿いで、しかも駒澤大学駅近くという事もあり人の流れが多い為安全対策に非常に気を遣う案件でした。また、管理組合様の予算の都合もあり、あまり費用を掛けた修繕も行えない中で臨機応変に施工に望めた案件でした。

オフィスチャンプではお客様の置かれた立場を把握したうえで予算に応じた施工をモットーにしております。大規模修繕工事は蓋を開けてみないと分からない事が多くありますが、着工後の外壁調査結果による状況を把握したうえで予算に応じて最大限のご提案及び施工を行っております。

予算に応じて適切な工事を行いたいとお考えのお客様は是非我々オフィスチャンプにお声がけください。

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