東京|墨田区のマンションの大規模修繕工事、着工から完工まで②

前回記事では同墨田区の現場(エスコート両国Ⅱ)の大規模修繕工事における仮設工事、外壁タイル面補修工事、外壁塗装面の下地補修工事までの施工の詳細をご説明してきましたが、(前回記事はこちら≫)本記事ではシーリング工事、塗装工事、鉄部塗装工事、防水工事、長尺シート張替工事についての本現場での施工の詳細をご説明していきたいと思います。

■シーリング工事

本工事では基本的に既存でシーリング施工されている部分に関しては全て新規にシーリングを打ち替える形でのご提案でしたが管理組合様のご予算の都合上、一部シーリング工事項目を除外する事での施工となりました。

□外壁目地シーリング打ち替え

既存の外壁目地は劣化して目地にひび割れが生じており硬化も進んでいるような状況でした。劣化した外壁目地は既存のものを撤去してから新規にシーリング材を打ち込みます。ひび割れは無くなり柔軟性のあるシーリング本来の役割を取り戻したと言えます。

□サッシ廻りシーリング

サッシ廻りのシーリングは劣化したまま放置していると漏水に直結する為、大規模修繕工事の中でも必須の工事項目と言えます。予算的に厳しい状況下で工事項目のいずれかを見送る必要がある場合でも、雨がかり部分のサッシ廻りシーリングの施工については最後まで非除外対象とするべきです。こちらの墨田区の現場でもシーリング工事項目のいくつかは見送ることになってしまいましたが、サッシ廻りのシーリングの施工については施工対象として残していただきました。

□その他シーリング

外壁目地やサッシ廻り以外にも各所シーリング打ち替えが必要な個所がありますが、ベントキャップや雨がかりの端子盤など予算内でできる限りの施工は行いました。着工後すぐの外壁調査工事の結果で比較的外装仕上げ材の不具合が少なかったことから当初予定よりもシーリング施工工事項目を増やすことが出来、直接雨がかりの部分のシーリングに関してはほぼほぼ施工することが出来ました。

■外壁塗装工事

新築時から10年以上経ってくるとさすがに外壁塗装も劣化して艶を失ってきます。外壁塗装面を手で触ると粉のようなものが手に付着したことを経験したこと上がる事がある人も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか?

この塗装面が劣化して粉化してくることを「チョーキング」現象と言いますが、一般的にはこのチョーキングが見られるようになるとそろそろ外壁塗装を考える時期となってきます。

大規模修繕工事では、外壁塗装工事は必須の工事項目となっておりますが色を塗り替えることにより美観的な向上はもちろんの事、躯体を保護し建物の寿命を延ばす保護層としての塗膜形成も重要な役割と言えます。

□バルコニー内塗装

こちらの墨田区の現場では、外装仕上げのほとんどがタイル面となっており、いわゆる外壁塗装としてはバルコニー内や通路内程度しかありませんでした。バルコニーの手摺壁の内側は吹付タイル仕上げで、使用した塗料はエスケー化研社製の水性セラミシリコンです。大規模修繕工事における外装用塗料としては最も使用される部類の塗料ではないでしょうか。

見上げ面についてはリシン吹付仕上げとなっており、使用した塗料は日本ペイント社製のケンエースG-Ⅱでこちらも見上げ面と塗装する場合にはよく使用される塗料です。

□階段室塗装

外階段の内側も塗装仕上げとなっており、バルコニー内同様、階段手摺壁内壁が水性セラミシリコン、見上げ面がケンエースG-Ⅱ使用しての塗装となりました。

■鉄部塗装工事
鉄は他の鋼材に比べ安価で粘りがあり建築でも様々な場面で使用されていますが、「錆」という永遠の課題があり、経年と共にどうしても錆が発生してしまいます。本施工では予算の都合上、直接雨がかりでない部分の鉄部塗装は見送られ、雨がかり部分を中心にと手ts部塗装を行う事となりました。

□屋根塗装工事

マンションにしては珍しく、最上部がガルバリウム鋼板の屋根になっており、こちらの屋根は雨係という事で施工対象となりました。ガルバリウム鋼板は亜鉛メッキ鋼板にアルミニウムを55%加えて錆びにくくしたメッキ鋼板です。(アルミニウム55%・亜鉛43.4%・シリコン1.6%か成るアルミ亜鉛合金メッキ鋼板)そのため、長きにわたり美観が落ちにくいと言われておりますが、やはり10年以上経ってくるとそれなりに艶は落ち、美観上の劣化は進んできます。

今回が第1回目の大規模修繕という事もあり、見た目にもはっきり分かるリニューアルを求められたことから屋根の塗装も加えさせていただきました。

□連結送水管及び消火栓BOX塗装工事

雨掛かり部分として連結送水管及び消火栓BOXも施工対象として塗装しました。消火栓BOXは文字が入っているものでしたが、既存の文字を削り、BOX全体を塗装の上カッティングシートを張り元通りの姿に復旧しました。

□その他鉄部塗装工事

雨かかり部分に関しては腐食防止の観点から塗装工事を行いました。竪樋に関しては他がきれいになったにもかかわらず、竪樋だけが古い感じで残ってしまうと結構目立ってしまう為、竪樋の方も塗装することとなりました。予算の範囲の中で見栄えと機能を両立させつつ塗装工事を行うことが出来たと思います。

防水工事

建物における資産価値向上・保全の為に大規模修繕工事はとても大事なイベントと言えますが、最も優先して取り組みたい内容として「第3者災害の防止」「漏水対策」の2点をお客様に伝えるようにしています。そういった観点から、大規模修繕工事における「防水工事」の重要性は言わずもがなと言えるのではないでしょうか。

□アスファルトシート防水(メンテナンス)

露出アスファルトシート防水は耐用年数が比較的長く、15年とも20年ともいわれています。この現場の屋上の状態はそれほど悪くなかった為、予算の都合も踏まえて、アスファルトシートに浮きや切れがある部分を補修して保護塗装をするいわゆるメンテナンス程度の施工仕様とさせていただきました。少なくとも、次回大規模修繕の際にはきちんとした形での屋上防水工事を行う必要があります。

ウレタン防水工事

この現場の屋上は基本的にアスファルトシート防水になっているのですが、ハト小屋の天端及びその他一部がウレタン防水仕上げになっています。ウレタン防水はアスファルトシート防水よりも耐用年数が短い為、ウレタン防水部分のみウレタンを塗り重ねる工法での施工となりました。

☝因みに「ハト小屋」とは、特にハトを飼っているわけではなく屋上からパイプシャフトに貫通している配管を小屋のような形で覆って雨仕舞いの役目をはたしているものを指します。

長尺シート張り工事

長尺シートはマンションのバルコニーや共用通路などに敷かれている塩ビ系の素材のシートで表面がコンクリートむき出しのままの仕上げよりも圧倒的な高級感を演出してくれます。昨今の分譲マンションではかなりの確率で床面に長尺シートが敷かれている形になっています。

高級感を醸し出してくれる長尺シートですが、経年により端が捲れてきたり長尺シートの継ぎ目が切れてきたりとそれなりの劣化を示してきます。長尺シート自体防水性もありますので防水的な要素を踏まえた修繕と考えれば「見た目+防水性の向上」と2つの効果が期待できます。

この墨田区の現場では、共用通路は長尺シート張りで仕上げられていましたがバルコニーはコンクリートむき出しの仕上げでした。美装と防水の観点から、長尺シート張りへと変更させていただきました。

バルコニー床面平場は長尺シート張りとなりますが、立上と側溝はウレタン防水となります。長尺シートを張ったのちに床面と長尺シート端末を専用のシーリング材にて隙間を埋めて雨仕舞いとします。長尺シート同士のつなぎ目は「目地溶接棒」と「熱風溶接機」と呼ばれる道具を使用する特殊な溶接工法で隙間を充填していきます。

■②まとめ

墨田区の大規模修繕工事の施工事例として前回記事に引き続き同じ現場の施工の紹介となりました。限られた予算の中、どういうご提案をすれば機能的にも美観的にも最良の結果を生み出せるのかを考えながらの大規模修繕工事となりましたが、結果的に大規模修繕工事としご満足いただける内容になったと思います。
そして次回大規模修繕工事の際には、今回手を付けることが出来なかった部分にも手を入れられるよう、再び良いご提案が出来ればと思っております。

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