マンションの外壁塗装を行う際の費用、タイミング、業者の選定は?

マンションも築10年を過ぎてくると外壁塗装面の汚れや下地のひび割れ、タイルの浮きやひび割れなど、経年による劣化が目立ってくるようになってきます。本記事ではマンションの大規模修繕の中でも外壁塗装工事を中心にした内容で、最終的にどのような業者を選定すればよいのかを解説していこうと思います。

■マンションにおける外壁塗装工事について

◇外壁塗装工事の必要性について
一般的に外壁塗装と言えば、経年劣化により汚れが目立ってきた外壁を塗装することによりリニューアル、美観を向上させるのが目的で行われます。しかし、塗装には美観上の問題以外の「躯体の保護」というもう一つの重要な目的があり、塗装塗膜自体の経年劣化による雨水のしみ込みなどから起こりうる躯体の弱体化を防ぐ目的もあるのです。

◇外壁塗装工事項目に含まれる塗装個所

マンションにおける外壁塗装工事として行わる工事項目について、以下のものが挙げられます。
・一般外壁
・共用通路内壁
・共用通路腰壁(手摺壁)内外壁
・共用通路見上げ面
・バルコニー内壁
・バルコニー腰壁(手摺壁)内外壁
・バルコニー見上げ面
・階段内壁
・階段腰壁(手摺壁)内外壁
・庇
・擁壁

通常、これらの項目を詳細に採寸した上で「施工面積○○㎡×単価」という形で項目別に積み上げて一つのお見積りとして完成させていきます。また、施工に伴う経費も発生してきます。

■マンションの外壁塗装の費用は?

一般的にマンションの外壁塗装を行う場合は塗装工事項目だけでなく塗装工事に伴う下地の補修工事、シーリング工事、屋上やバルコニーの防水工事、また、外壁が塗装面ではなくタイル面がある場合はタイルの補修工事も行われます。
これは、建物全体に足場を掛けて外壁塗装工事を行う場合、外壁塗装工事しか行わないのは足場利用の非効率となり、シーリング工事、防水工事、タイル工事のみをそれぞれ行うためだけに足場を都度掛けなおすのは足場代が無駄になってしまうからです。

◇実際の費用は?

上記を踏まえ、一般的に考えると「外壁塗装」のみの工事項目のみでマンションの外壁塗装を考えるのは不自然とも言えますので国土交通省発行の「民間賃貸住宅の計画修繕ガイドブック 」を参照にマンションの外壁塗装を考えてみましょう。

マンションの外壁塗装の費用目安と言ってもその規模や造りにより大きく異なります。例えば民間賃貸住宅の計画修繕ガイドブックによると、1LDK~2DKのRC造(鉄筋コンクリート)賃貸マンションにおいて築11~15年で修繕工事を行った場合、 1棟20世帯規模で1戸あたり約55万円となっています。マンションの外壁塗装のみで考えると1戸あたり10万円前後でしょうか。この場合、外壁がほぼ塗装面である場合の統計になりますが、外壁がタイル面中心だった場合は簡単にこの場合倍程度になり得ます。

一般的によく言われているのは大規模修繕の際の1戸当たりの負担金額は100万円程度と言われています。ただ、上記のように外装仕上げ材のメインが塗装なのかタイルなのか、防水の種類や工法、建物の造りでかなり金額が変わってきますのであくまで目安としてお考え下さい。

このように足場を組んでマンションの外壁塗装を行う場合はマンションの大規模修繕としての、一工事項目として外壁塗装を考えた方がよいと言えます。そういった意味で、詳細な項目に分かれているお見積りを取得するのは重要な事と言えます。

大規模修繕の費用に関して詳しく知りたい方はこちら≫

■マンションの外壁塗装はどのタイミングで行うべきか?

マンションの大規模修繕は12年周期で行われることが多いです。これは国土交通省が平成20年6月に作成した「長期修繕計画作成ガイドライン」の中で謳われている内容から推察されることとして各施工業者、管理会社が推奨している形になっていると思われます。
また、平成20年に改正された建築基準法第12条にに基づく定期報告制度により、竣工後及び外壁改修後10年を経てから最初の調査の際に全面打診等による調査を行う必要が発生したため、外壁調査と外壁修繕工事を別々に行うことによるコスト的なデメリットを抑える意味でも12年という周期がもてはやされているのかもしれません。

一応12年という周期が目安としてありますが、実際のところ、個人所有のビルやマンションでは長期修繕計画を立てていない物件も多く、その場合は、所有者様自身で目で見て劣化具合を判断し専門業者に依頼の上、専門家の判断を仰ぐということになろうかと思います。
もちろん、長期修繕計画に基づいた工事を行う場合でも、所有者様自身が目で見て判断し以下、ある程度納得いく形で工事を進めていく必要があろうかと思いますので、一般の方が判断する為のガイドラインをご紹介したいと思います。

大規模修繕の周期に関して詳しく知りたい方はこちら≫

◇マンションの外壁劣化の種類あれこれ

外壁塗装面における主な劣化にはひび割れ(クラック)、欠損、爆裂、モルタル浮き、塗膜剥離が挙げられます。

(画像左が幅0.3mm未満クラック、画像右が幅0.3mm以上クラック)

大規模修繕における外壁塗装工事の際の下地補修工事項目として調査する場合、幅0.3mm以上と幅0.3mm未満のクラックに分けるようにしますが、場合により0.5mmで分ける場合もあるようです。
一般的には0.3mm以上のクラックからは漏水の可能性があると言われており、単純にひび割れを潰す以上の処理(Uカットシーリング工法等)を施します。

一般的に判断する場合には以前よりひび割れが増えたかどうかで業者に相談するタイミングを決定します。特に幅0.3mm以上のヒビが散見される場合には注意が必要です。

爆裂

爆裂とはコンクリート躯体内の鉄筋が腐食して膨らみ、表のコンクリートを押し出す形で欠けているものを指しますが、欠損はただ単純に欠けているものを指します。特に、爆裂が見られる場合は躯体内に水が回っている可能性が高いので早めに専門業者に相談することをお勧めします。

モルタル浮き

モルタル浮きとはコンクリートの不陸調整のためのモルタルが経年でコンクリートより剥離している状況です。画像のように目で見ても分からない事が多く、打診調査でモルタルが浮いているかどうかの判定が可能となります。稀に目視でも判断可能な場合がありますが、目視で判断可能なレベルのモルタル浮きは落下の恐れがあり非常に危険ですので早めに専門業者に相談することをお勧めします。

塗膜剥離

塗装塗膜が剥がれる理由はいくつかありますが、躯体内に水が回ることにより塗膜の付着力が低下する事が原因での塗膜剥がれが最も多いと思われます。躯体に水が回るのは決して良い状況ではない為、こちらの場合も専門業者にご相談することをお勧めします。

上記、いずれの不具合も築10年程度を境にかなり目立つようになってきます。それぞれの不具合の内容に応じた適切な補修方法で修繕していくこととなりますが、皆さんがこれらの不具合を発見した場合はなるべく早く専門業者にご相談することをお勧めします。

外壁塗装面の補修方法について詳しく知りたい方はこちら≫

■結局どの業者に依頼するのが良いのか?

数ある専門業者の中から1つの業者を選定することはある意味至難の業とも言えなくありません。複数お見積りを取得する中で、一番高い業者が一番良い仕事をしてくれるのか?一番安い業者に越したことはないが手抜きがないのか?その辺りは永遠の謎とも言えます。

◇業者比較のポイント
一般的に、通常の足場を使用して施工する場合、相場よりも安い金額の業者は確かに危険な感じがします。特に足場を掛けて工事行う場合の単価はある程度決まっている為、必要以上に安くできる理由が無いからです。逆に高いお見積りは無駄な経費が乗っていることも多く、お見積りの項目一つ一つを吟味していくことが大事とも言えます。
また、営業マンや現場担当の知識や人柄、竣工時の竣工図書をどのぐらいのレベルでちゃんてしたものを提出してくれるのか等、金額以外の部分で差があったりしますのでそこもポイントと言えると思います。

◇特殊工法、足場を掛けない大規模修繕、外壁塗装!
マンションの大規模修繕を請負う業者の中には足場を必要とせずに施工する業者が存在します。「ロープブランコ工法」「ロープアクセス工法」「無足場工法」などと呼ばれ、足場を使用せずに屋上より産業用ロープを使用して懸垂下降しながら作業をします。当然、足場がない分割安で施工できますし足場がない分防犯上のメリットも享受できます。また、工事の都度仮設足場を必要としないことから、例えば外壁塗装工事とタイル工事を別の時期に施工しても仮設経費のロスは最小限に抑えられ分割工事にも適しています。

足場を掛けない外壁工事のメリットについてはこちら≫

ロープブランコ工法(無足場工法)

その他、足場を掛けない分様々なメリットがありますが、デメリットとしては、掘削機を使用するような大きな力を使用する作業には不向きな事、特殊作業である為、作業員の確保及び教育が難しいことが挙げられると思います。
このうち、「掘削機を使用するような大きな力を使用する作業には不向き 」に関しては、いわゆるマンションの大規模修繕、外壁塗装ではほぼあり得ないので問題ないと言えますが、人員の確保と教育が無足場工法の最大のテーマではないかとも言えます。

■まとめ

一般的にマンションの外壁塗装を行う場合は、仮設足場を使用して行う為、外壁塗装工事以外の工事項目である防水工事、タイル工事、シーリング工事等を一度に行った方が分割して工事を行った際の仮設費用のロスが無い為、外壁塗装工事は基本的にはマンションの大規模修繕工事の一環として考えるべきと言えます。
また、費用的にも大規模修繕工事の一環としての費用で考えるべきであり、建物の状況に応じたそれ相応の費用が発生します。

工事を行うタイミングとして一般的な周期を踏まえ、予算を確保し、どう業者を選定していくかはお見積り金額の高い・安いも大切な話ではありますが、発注者に適正価格を知ってもらうために、お見積りが丁寧で詳細な項目に分かれているかどうか、詳細な竣工図書(工事完工後の提出資料)が提出されるかどうか、担当の知識や人柄はどうか等、発注する側も幅広い視点から施工業者と向き合う必要があると言えます。

ビル・マンションの外壁塗装工事のOFFICE CHAMP(オフィスチャンプ)では、足場を必要としない工法により、ビルやマンションの外壁工事を2~5割程度安く実施可能です。

丁寧な施工はもちろんの事、工事金額の根拠となる詳細なお見積りを提出させていただき、完工後は写真や資料をちりばめた竣工図書の提出で工事の詳細を分かりやすく解説しています。
また、ご予算に応じた分割工事やご提案も得意とするところでお客様のニーズに寄り添った施工をモットーとしております。

「予算に応じた内容での外壁塗装工事を行いたい」「費用対効果の高い外壁塗装工事を行いたい」等、親切・丁寧・高品質な施工をお考えの方は是非オフィスチャンプまでご相談ください。

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