無足場工法とは?工法の特徴とメリット・デメリットを解説

無足場工法はマンションやビルの修繕などに利用されている、足場を組まずに作業する工法です。

無足場工法には、コストを削減しつつ、工期を短くできるといったメリットがありますが、一部の形状の建物には対応できないといったデメリットもあります。無足場工法を利用するなら、まずは工法の概要とメリット・デメリットを知っておきましょう。

この記事では、無足場工法の概要と特徴を詳しく解説します。無足場工法の利用を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

■無足場工法とは?

冒頭で少し触れたとおり、無足場工法は足場を組まずに作業する工法です。以前はビルなどの窓掃除を行なう際に採用されていましたが、現在ではマンションやビルの塗装・補修・調査などでも採用されるようになりました。

◇無足場工法は3種類
無足場工法にはゴンドラ、高所作業車、ロープアクセスの3つの種類があります。

  • ゴンドラ

ゴンドラは可動式のゴンドラを建物の屋上から吊り下げ、施工する方法です。他の工法に比べて機動力はありませんが、1つのゴンドラに複数人が乗って同時に作業できるため、効率は良いといえます。

ただし、他の工法より必要な設備が多くなるため、コストは高くなりがちです。

  • 高所作業車

高所作業が可能なプラットフォームを設置した車を使用する方法です。高所作業車は高さのないビルなどでの使用に向いており、屋上に設備を設置する必要がありません。

ただし、車が侵入できる広い空間が必要になるほか、道路整備のために作業員を設置する必要があります。

  • ロープアクセス

ロープアクセスは、作業員が特殊ロープを使用し、屋上から吊り下がって施工する方法です。以前は、安全性に懸念があり利用されていませんでしたが、産業用ロープの普及などにより安全性が飛躍的に向上し、現在では広く利用が認められるようになりました。

◇無足場工法が向いている現場
無足場工法は足場が組めない以下のような現場で活躍します。

  • 足場を組み立てるスペースがない場合
  • ピンポイントで施工したい場合
  • 小規模の修繕に対応したい場合
  • 大規模の修繕を分割して対応したい場合

ただし、ゴンドラやロープアクセスの場合、屋上からロープや機械を吊り下げられない現場には対応できません。対応できる範囲は業者によっても異なるため、無足場工法に対応している業者に相談してみましょう。

■無足場工法のメリット

無足場工法にはどのようなメリットがあるのでしょうか。無足場工法の4つのメリットをそれぞれ解説します。

◇コストを削減できる
足場が必要ない無足場工法では、足場代、足場の組立・解体費がかかりません。組立にかかる工期がないため、作業員も少なくて済み、労務費なども削減できます。足場にかかる多くのコストを削減できる点が、無足場工法の大きなメリットといえるでしょう。

また、無足場工法のなかでもロープアクセスは低コストにおさめやすく、足場工法と比べると2~5割安く外壁工事が可能です。必要なコストは工法の種類や作業内容によって異なるため、業者に見積もりを依頼して内容を比較検討しましょう。

◇作業環境に合わせて柔軟に対応できる
通常、足場を設置するには60cm以上の幅が必要です。その点、無足場工法は狭い場所でも施工可能であるため、作業環境の幅が広がります。

部分的に修繕する場合や、すぐに対応が必要な場合でも柔軟に対応できます。また、修繕箇所が多い場合でも、予算に合わせ数回に分けて施工可能です。

◇防犯面での心配がなくなる
足場は、一度設置すると工事が終了するまでの期間は設置されたままになります。足場への出入り口は関係者以外立ち入りできないように工夫がされていますが、悪意ある第三者が足場に侵入してしまう可能性もゼロではありません。

実際に、第三者が足場を利用してベランダに侵入するケースがあるため、足場工法では防犯面での対策が必須です。

それに対し、無足場工法では防犯面の心配がなくなります。外観に変化がないため、日差しや風通しを遮ることがなく、住環境にも影響を与えません。

◇周辺環境への影響を軽減できる
足場を設置するとどうしても圧迫感がでてしまい、設置と利用の際に騒音が発生してしまうものです。しかし、無足場工法なら建物を足場とシートで覆う必要がなくなり、騒音も大幅に減らせます。

また、台風などの災害によって足場が崩れたり、シートが飛んだりする危険性もないため、周辺住民への影響も少なくすむでしょう。

■無足場工法のデメリット

メリットの多い無足場工法ですが、足場がないことに由来するデメリットもあります。無足場工法を導入する際は、デメリットの内容も踏まえて総合的に判断しましょう。

◇作業に一部制限がある
無足場工法は、建物の形状によって作業に制限がかかるため、実施できない場合もあります。

例えば、以下のようなケースは無足場工法での作業が向いていません。

  • 高層ビル(14階以上になると作業できない場合がある)
  • 建物の屋上がロープの設置に向かない場合
  • オーバーハング(建物の一部が突出している箇所)がある場合

また、無足場工法は部分的な補修作業には向いていますが、一度に広範囲を作業するのには向いていません。作業員が足場内を自由に移動できる足場工法と比べ、移動にも制限が出てしまいます。

◇施工後に作業確認ができない
無足場工法の場合、作業現場に近づけるのは作業員のみです。そのため、施工後の現場確認を作業員以外は行なえず、施主は写真や報告書での確認に限られてしまいます。

本当に作業ができているかどうかは書類などを信用するしかないため、無足場工法での作業実績があり、信用のおける業者を選ぶことが大切です。

◇無足場工法に対応できる、高度な技術を持つ業者が少ない
足場工法に比べ、無足場工法に対応している業者の数はあまり多くありません。地域によってはそもそも業者が見つからず、無足場工法が選択肢に入らない場合もあるでしょう。

◇安全対策が必須
無足場工法は足場がない分、工具などを落としてしまうとそのまま地面まで落下してしまうおそれがあります。施工中に警備員を配置したり、工具を落下防止のためのカールコードに接続したりするなど、無足場工法では安全対策が必須です。

また、マンションで施工する場合は無足場工法の安全性について周知し、住民の理解を得ることも必要でしょう。

■まとめ

足場を用いない無足場工法は、足場をかけられない狭い現場や、急な修繕が必要な現場、修繕費を安く抑えたい現場などに向いています。その一方で、無足場工法は作業の自由度に制限があり、安全対策が必須というデメリットもあります。

作業環境や工法の特徴をよく確認し、無足場工法が利用可能かどうかを慎重に検討することが大切です。

無足場工法を取り扱う業者は、全国でもそれほど多くありません。無足場工法を依頼する際には、大切な建物の修繕を安心して任せられるよう、実績があり信頼のおける業者を選びましょう。

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